匍匐前進日記

行政職で森林・林業にかかわってましたが、現在は民間で働き出しました。記事のテーマは業務関連の資格と時々パソコンの話ってところです。So-netから移行してきました(20160620)。移行前のは20100107~。記事は時々加筆修正します。

流域治水の考え方はわかるけど

国交省の言い出した流域治水。
前職でも保安林整備事業で間伐材筋工を林野庁の指示で取り入れて実施してたけど、受注者には大不評でした。

この前の日曜日、梅雨に入ったこともあってか、NHK総合でもやってたけど、林野庁の取り組みは紹介されてなかった。

www.nhk.or.jp間伐材が粒ぞろいで、杭に加工するのに最適なサイズばかりなものではないので、そんな単純なもんじゃないよね。

ちなみに間伐材筋工ってこんなの↓

https://www.kkr.mlit.go.jp/plan/happyou/thesises/2021/ol9a8v000004bzfr-att/ino2-19.pdf

雨水の地下浸透を助け、下流への流出を遅らせる効果があるってことですが、やり始めたときはイメージ優先で定量的な効果検証はなかったと思う。

ヒアリングの時の本庁からの圧はすごかったけど、ふたを開けたら国有林の入札資料見てびっくりした。国有林の発注では数十ヘクタールの間伐やって、500mしか筋工やらない設計になってたから。そんなんで効果あんのか?って思った記憶が。現在設計基準があるのかわかんないけど。

まあ、治水の取り組み全体からみた林野庁の使う予算も事業規模も微々たるもんなんで大したことない。

番組では霞堤で水没する農地の所有者の苦悩が紹介されてた。予算要求関係の資料でも霞堤の話は確かに見た記憶がある。

増水時にいわば人柱的に農地に越水させるわけですが、政策として位置づけされてるのに被害に対する補償がないのはわけわからん。

番組では解説委員のおっちゃんが「流域=運命共同体」ていうようなことを言ってたけど、国交省には「流域治水」といった概念を打ち出すときに割を食う立場の人への手当てを制度化することをせめて約束くらいしてから表に出すべきだったんじゃないかと思う。